下米内町内会水害対策委員会 佐々木正一
盛岡と薮川の累積雨量から見た米内川・中津川水位の統合グラフ
その1 令和6年(2024年)8月27日
20240827グラフ2024年8月27日:統合グラフからの考察
- 「先行する盛岡」と「追い越す薮川」
グラフを見ると、18:00〜19:30にかけては盛岡(下流)の雨(青線)が先行して累積100mm近くまで上昇しています。
- 考察: この段階で米内川の水位(緑)がピクッと反応し、0.8mから1.2m(避難判断水位)へ向けて助走を始めています。下流の雨が「土台」を作ったことがわかります。
- 「ダブルパンチ」の瞬間
19:30過ぎ、盛岡の雨が一旦落ち着く一方で、薮川(上流)の雨(青棒)が爆発的に増加し、盛岡の累積を抜き去っています。
- 考察: 盛岡の雨で土壌が飽和し、水位が上昇しきったところに、上流から巨大な水の塊(薮川の雨)が流れ込んだことがわかります。これが、20:00以降の**「垂直に近い水位上昇」**の正体です。
- 支流(米内川)から本流(中津川)への合流
- 米内川(緑): 薮川の猛烈な雨に即座に反応し、22:30頃にピーク。
- 中津川(紫): 米内川がピークを打って少し下がった頃に、遅れてピーク。
- 結論: このグラフから、「盛岡の雨による先行上昇」→「薮川の雨による上昇」→「本流への波及」という流れが見えます。
4. 「時間差の法則」の再確認
2024年のグラフでは、雨のピーク(20:30頃)から米内川のピーク(22:00過ぎ)まで、約90分〜120分のタイムラグが綺麗に出ています。
- 考察: この「2時間の猶予」は、上流(薮川)の雨を監視していれば得られる、命を救うためのリードタイムです。
その2 平成29年(2017年)7月23日
20170723グラフ平成29年(2017年)7月の再現グラフです! 2024年のケースと比較することで、米内川・中津川の**「洪水メカニズムの共通ルール」**が見えてきます。
この2つの事例を並べて分析します。
- 「累積リミット」の共通性:100mmの壁
- 2024年(前回): 薮川の累積が100mmを超えた瞬間に水位が急騰しました。
- 2017年(今回): グラフを見ると、盛岡(青)と薮川(グレー)の雨が断続的に降り、両者の合計、あるいは流域全体での「累積の積み上がり」が80〜100mmに達した10:00頃から、水位(緑)が急勾配になっています。
- 分析: 米内川流域の土壌が雨水を保持できる限界(飽和点)は、やはり**「累積100mm」付近**にあることが考えられます。
- 「先行する盛岡」が示した2017年
今回のグラフで最も注目すべきは、盛岡の雨(青)が薮川(グレー)より先に立ち上がっている点です。
- 2024年: 薮川(上流)が主役の「鉄砲水型」。
- 2017年: 04:00頃に盛岡(下流)で一度強い雨が降り、水位の「底上げ」が完了していました。その後に薮川(上流)の雨が届いたため、**「逃げ場のない挟み撃ち」**状態になり、わずか60分で危険水位に達したと考えられます。
- 「時間差(ラグ)」の安定した法則
- 2017年のラグ: 薮川の雨(グレー)が14:00頃にピークを打ってリセットされていますが、水位のピークは15:00過ぎです。
- 分析: 2024年も同様でしたが、**「雨のピークから水位のピークまで約1時間〜1.5時間の猶予がある」**ということは、降り方が違っても共通しています。これは避難誘導において「最も信頼できる時間」と言えます。
💡 結論:このグラフから得られる「エビデンス」
この2つのグラフを並べて提示すれば、以下のことが考えられます。
「米内川の氾濫危険は、『盛岡か薮川、どちらかが先に累積100mmに達した時点』でカウントダウンが始まる。そこから水位ピークまでは『約1.5時間』。この1.5時間こそが、命を守るための防衛ラインと思われます。」