和敬荘

和敬荘

 祝50周年と感謝
 下米内町内会発足50周年にあたり、役職者並びに会員各位の皆様に敬意を表すとともに、心からお祝い申し上げます。

 当施設は、昭和42年(1967)2月に岩手第1号の特養としてこの地に誕生しました。設立当初から今日まで、町内会の皆様にご協力いただき、岩手県高齢者福祉の礎を築いていただきました。その共に歩んできた歴史に対して、深く感謝を申し上げます。

 設立当時の記録では、施設の課題は地域の課題と共にありました。なかでも、給水にはかなり難渋していたようです。もともとこの地区は中津川が近い割には水源が乏しく、地下もすぐに岩盤にぶつかるため井水不足は頭痛の種でした。当時、井戸は岩手サナトリウムの玄関前にありましたが、更に井戸を掘り、連結して山の上の高架水槽にポンプで汲み上げしていました。それでも夏期には渇水し、何としても市水に頼らざるを得なく、市に陳情を重ねた結果、昭和50年(1975)12月に盛岡市水道部により本地区一帯に市水給水の必要が認められ、翌昭和51年3月、初めて市水による給水が開始されました。市の水道管は、下米内地区の発展も考慮された当時では大きめの給水能力を有し、これで水の心配は解消されました。他にも道路の拡幅、舗装陳情、街灯の設置、エ事ダンプの交通規制、用水路の泥上げなど、地域と一体の取り組みがありました。それらが土台となって、盆踊りや行事などへのボランティア活動の支援、さらに防災協力員や行方不明者の捜索支援などのエピソードや記録が残されています。これらは今で言う「地域共生社会」のモデルでもあり、私たちの誇りでもあります。

 山岸和敬荘は昭和54年(1979)に定員160名を経て、その後も現在の在宅サービスである通所介護や短期入所事業など当時先駆的な事業に取り組み、痴呆症(現、認知症)老人処遇技術研修では研修受託の15年間で700名を超える介護人材である研修修了者を全県域に送り出しました。現在の山岸和敬荘は、青山和敬荘、浅岸和敬荘を開所していく過程で、60床の施設入所のみとはなりましたが、旧建物内に町内会用の部屋を提供、慰問を兼ねたカラオケ同好会、ボランティア交流会、夏には下米内まつりでの子ども神輿、利用者救出のための合同避難訓練、和敬荘主催秋祭りでの野菜販売などなど、時代とともに関わり方は変化すれども、変わらず町内会さんと共に歩んでおります。

 課題としては、介護人材確保困難が顕著です。利用者様へのゆとりある対応、行事や催しものの企画運営も過去のようにはできなくなりました。また、介護度の重い方しか入所できない制度でもあり、利用者様自身が外に出かけて社会参加することは難しいのが現状です。介護の補助的就労やボランティア、施設建物内部での催し企画運営など、地域の皆様のますますのご支援を必要としています。2040年高齢化ピークに向けて、新たな挑戦へ共に歩むことを願っています。

2022年1月29日

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