泥鰌渕

泥 鰌 渕

 中津川と米内川の合流点を二つの川が合うので「あさり」とも呼びましたが、土地の人々は「どぢょう渕」と呼んでいます。

 遠い昔は両岸は柳などの樹木が生い繁り、水量も多く渦を巻いて流れ、水中には大きな泥鰌が主となって住んでいると言われ、めったに人は近よりませんでした。ある時水浴に入った馬が水中に引張り込まれ、そのまま上って来なかったと云い伝られております。

 明治四十三年九月の大洪水で、両岸の樹木はおし流されて一変し、下流には用水を引く「落合まて」が出来てダムのように満々と水をたたえ、戦前は、夏の水泳の場となり、地元は勿論、山岸、加賀野方面から、大人、子どもが集まって水泳を楽しみました。

 又、川魚の繁殖地ともなり、大人達の釣場となりましたが、今は川底が土砂で埋り、水量も少なく、昔の風景を偲ぶ何物もありません。

2022年1月29日

PAGE TOP