北潟柿

北 潟 柿

 下米内かいわいはどこの家でも柿の木を二、三本は植えていました。それも見上げる大木で秋ともなれば実をたわわに付け、見事に色付き、いかにも里の秋を思わせる様な風景でした。

 柿もぎは大変な仕事で、一本はしごと云って、五間はしごなど、長い物は一人で操作できない大物で、二、三人がかりで移動などして使用しました。

 北潟産の柿は種子が無く「北潟の種子無し柿」と言って業者が珍重し、他所産の物より高値で買って行きました。

 当時、盛岡高等農林学校の先生方が、なぜ種子が無いのかと研究されましたが、結論は、陽当りがよく、水がきれいな為と言うことでした。

2022年1月29日

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