洞(ほら)

洞(ほ ら)

 旧市道、北潟名乗線が寺並山に人る現在の和敬荘附近を洞と呼んでいました。北潟名乗線の道路が山ふところに入ると三方が山に囲まれ、入口がせばまって洞の形をした山峡地帯で、雉、狐、うさぎ等の繁殖地であり、明治の中期頃まで鹿狩りも行われたそうで、一番槍は北潟の誰、二番槍は寺並の誰等の話も語り伝えられていました。

 洞の最後の鹿狩りでとった鹿の角と伝えられる一対の角が私の家に残っております。現在は大部分の松林は畑に変り、冬の夜、飢になく狐の声も、嵐の夜、海鳴りのように聞こえてくる松風の音も聞く事はありません。

2022年1月29日

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